お笑いハイテクミステリ(シリーズ第2作) 天然ポケママの事件レシピ2  呪いの着メロ      シリーズ第1作(講談社版)はこちら
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【作者の言葉】 『呪いの着メロ』は、ユーモアミステリー兼ハイテクミ ステリー兼ジュニアミステリー兼音楽ミステリー兼…… という珍品である。(ただし、すべて自称)       ジャンル面で珍品であるだけでなく、形式面・技術面 でも珍品だ。なぜなら、この作品はサウンドを含んでい るから。(PDFファイルに音声を組込みずみ)      いわゆる電子出版・電子本の関係者の多くが「印刷物 でできない試みをやろう」と考える。「音をつける」と いうのはごく自然な発想だ。しかし、他分野はともかく 小説という分野(の電子出版物)では、これまで行われ た事例を知らない。                  安易に「本邦初」などというのは、映画界御用達の 「空前の超大作」のようなもので、かえって嘘っぽくな るとは思うが、おそらくは世界的にも前例のない試みだ と自負している。                   しかも、たんなるBGM・効果音ではなく、内容との関連 度・必然性がかなり高い。もっとも、「スピーカーが壊 れていると作品が成立しない」というほどではない。  なお、この作品は、1999年講談社刊の拙著『街が謎の 緑に染まる』の続編でもある。それぞれ独立した作品で はあるが、機会があれば『街が……』もごらんいただけ れば幸いだ。                   
〈主要登場人物〉 前作にひきつづき    児玉ひかり  料理研究家    児玉あおば  星里第一中学校2年生    並岡誠吾       ”    香西奈摘       ” 新規登場    塩田大輝(しおた・だいき)      星里第二中学校1年生 第1の誘拐被害者      絶対音感を持つ少年 ミュージシァン志望(父親は作詞家)      この春北海道から転校してきた    山野翔太(やまの・しょうた)      星里第二中学校1年生 第2の誘拐被害者      日本生まれブラジル育ちでこの春単身で一時帰国した 〈ストーリー〉  ある夜、部活帰りの誠吾が駅から家に向かっていると、黒い帽子に黒いマントのようなものをまとった怪しい人影に出会う。 低い声で、何やら歌っているような、つぶやいているような……  男はビルの間の狭い路地に入る。誠吾はあとをつける。1本道の路地は複雑に曲がり、男の姿は一時見えなくなったりまた 現われたりする。ふいにちょっと広い場所へ出る。小学生が何人かいる。黒づくめの男は見かけなかったという。つまり、男 は1本道の路地で消えてしまった!  数日後、あおばとひかりは2人で買物。店を巡る途中、例の怪人らしい男をみかけ、あとをつける。男はまたまた細い路地 に入るが、やがてT字路となる。あおばは「二手に分れて追おう」というがひかりはこわがって!?別行動を嫌がる。そのか わり、付近に水を撒くことを提案。2人が右の路地を探している間に男が左の路地から逃げ出したら、水で足跡がつくように した。しかし、結局右も左も行き止まり、そして男はどちらにもおらず、足跡もなかった。  奈摘はパソコン(インターネット)で目撃者探しをしていた。反応あり。塩田大輝という少年(同じ星里市内の第二中学校 1年生)が「直接見た」という。現場も近いので、会って案内してもらうことになった。こども4人が現場=とりこわし直前 の洋館の丸い中庭へ。出入口は1個所。中央に使われていない噴水装置あり。男はそこで消えたという。  そうしているあいだにも噂は広がり、何日か後には「怪人はこどものいる所によく現われる」「怪人はこどもを誘拐しよう としている」という話になってきた。  ある日、あおば・誠吾・大輝が街を“パトロール”していた。誠吾はキックボードに乗っていた。中学生集団とすれちがう。 とその時、そばに車が止まり、3人ほどの男が降りてきて、大輝を車内にひきずりこみ、下り坂を走り出す。 「誘拐だ!〈歌う怪人〉の仲間か?」  もたもたしている誠吾からあおばはキックボードを取上げ、下り坂をあざやかに右に左にスラロームしながら車を追う。が、 道が上り坂になって、追跡もそこまで。  大輝はどこかの建物の小部屋に押込まれる。      〈中略〉  あおばたちは大輝がとじこめられた建物を捜し当てた。しかし、すでにもぬけのカラだった。PHS電話機が残っていた。  その電話に横から手を出したひかりが、あるボタンにうっかり触れると、着メロが鳴った。  だが、その着メロには、大きな秘密が隠されていた。  そして、第2の誘拐が起きた……  <後略>
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PHSに残されたメロディ
上の楽譜を演奏する(軽い/mid) うまくいかないときはこちらも試してね(重い/wav)
あの2人を結ぶメロディ
上の楽譜を演奏する(軽い/mid) うまくいかないときはこちらも試してね(重い/wav)
     どちらのメロディも、順調にいけば自動的に演奏開始するのですが、あなたのパソコンの設定によっては         プレイボタンを押すと鳴る         いったんダウンロードしてから鳴る         鳴らない      などの場合もあります。
(c)&(p) 雅孝司 2001
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