1億ドルの記憶
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          インタラクティブノベル(R)No.3

 1億ドルの記憶

  あんのじょう、ちょっと力を入れただけで、脚はぐらぐらしてきた。同時に、ギシギシ

という音もする。部屋が静かなせいか、けっこう大きく響く。

  多少気にはなったが、きみは作業を続行した。どこかに見張りがいることは覚悟の上だ

が、マイクにはハンカチをかけた。ドアのすぐ外で耳を澄ましているのでないかぎり、聞

こえはしないだろう。きみはそう楽観した。

  しかし、1〜2分すると、ドアの外――おそらく廊下――に足音。きみはあわててイス

解体作業を中断した。顔を上げ息をひそめていると、足音はドアの前で止まり、カギを差

し込む音がする。やがてドアが開き、銃を構えた男が2人、うすら笑いをしながら入って

きた。

「動くな! おい、何をやってるんだ?逃げようなんて考えるんじゃないぜ」

  言われるまでもない。この状態では抵抗のしようがない。きみは片ひざをついたまま、

茫然と静止した。

  2人のうちもう1人の男が、壁の絵をちらっと見ながら言った。

「この部屋には、隠しマイクだけでなく隠しカメラもしかけてあるんだ。おまえも、そこ

までは気がつかなかったようだな。おまえの行動は、全部とはいわないが、ほとんど丸見

えだったのさ」

  ふたたび初めの男。

「もう一度眠ってもらってもいいが、また起きたときがめんどうだ。こうしとく方がよか

ろう」

  彼らは、持ってきたロープできみを後ろ手に縛り、さらに足首も縛った。

「さ、おとなしくしてろよ」

  きみの身体をベッドの上に荒っぽく放り出すと、2人は出ていった。どうやら、カメラ

は額縁に隠してあるらしい。マイクの発見だけで安心せず、ほかもよく調べるべきだった。

  とうぜんながら、このあと敵の警戒はさらに厳しくなった。武器になりそうなものは撤

去され、カメラやマイクに異常がなくても、1時間ごとにようすを見にくる。

  きみは、脱出の唯一のチャンスを逸したのだ。



                         END



     もう1回チャレンジ 




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