1億ドルの記憶
きみはようすを見まもった。男は、2〜3回目をショボショボさせると急に天井をにら
み、次に首を振って左右を見た。そしてきみに気づいた。
男はむっくり起き上がった。きみと男の視線が合った。
が……
(何か変だ)
きみはそう思った。男の目は焦点が合ってない感じだ。
「ヒェーイ」
男はかんだかい声で叫び、いきなりきみにとびかかってきた。きみはかろうじてよけた。
男はさらに無意味な叫びをくり返しながら、きみを襲う。どこに隠していたのか、鉄パ
イプまで持ち出した。ベッドの部品らしい。
(こいつは、精神が錯乱している!)
いつのまにか、男はきみとドアの間に位置を変えた。これでは、廊下に逃げ出すのも容
易ではない。敵か味方か不明だが、ここは戦うしかない。
弾の入ったピストルがあるので、使う
弾もピストルもあるが、使いたくない
ピストルがない/弾がない