1億ドルの記憶
きみは初めに下の引き出しをあけた。緊張で、額にうっすらと汗もにじんだ。やはりコ
ードが気になるのだ。だが、十数秒たっても、変化はない。警報装置ではなかったようだ。
引き出しの中身は本、しかもヤングレディ向きまんがばかりだ。きらいではないが、い
ま読んでいるヒマはない。
続いて、中段の引き出しをあける。そこはがらくたで一杯だった。ちびた鉛筆、変色し
た未使用のメモ用紙、ゆがんだ定規etc
最後に上の引き出しをあけた。1枚の封筒だけがぽつんと入っている。
きみはそれを手にとった。手紙ではない。宛先などは書いてないし、封もしてない。中
には2つに折ったハガキぐらいの紙があった。開いてみると、数字が6つ書いてある。
5 7 0 6 1 9
きみはこの数を頭にたたきこむと、紙と封筒を元に戻した。
部屋を出る
箱を探る