1億ドルの記憶
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1億ドルの記憶
まず最下段の引き出しをあける。未使用の封筒やびんせんがたくさん入っている。ごく
平凡な品物ばかりで、なんの情報もえられない。もちろん、持っていくほどの価値もない。
最下段をそのままにして、つまり押し戻さず、下から2段目をあける。病院のにおいが
した。引き出しの中身は、いろいろな薬だ。一瞬、麻薬でもあるかと思ったが、家庭用カ
ゼ薬・かたこりにきくスプレー薬など、ありきたりのものだけである。すでに有効期限の
すぎたものが多い。
下から2段目をそのままにして、さらに1段上の引き出しをあけると、そこは空。
だが、次の引き出しで大収穫があった。ピストルを見つけたのだ。もっとも弾は2発し
か入っていない。たいせつに使わねば。きみはそれを内ポケットに忍ばせた。
そのとき、背後で何かが動く気配。振り向いたが、だれもいない。気のせいか? ただ、
あけておいたドアがほんの少し閉じたような感じがする。
きみは、ピストルの発見で満足し、引き出しの“捜査”を中止した。
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