1億ドルの記憶
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    1億ドルの記憶

  きみはその部屋に入った。

  ドアから見て正面に、机がある。いや、机というより作業台だ。引き出しなどの収納ス

ペースはまったくない。作業台の上には、段ボール箱が3つある。いずれも、ガムテープ

できっちり梱包されている。

  きみは段ボール箱を1つずつ持ち上げてみた。軽いが空ではない。何かが入っている。

包んであるのだから当然といえば当然だが……

  きみはまずいちばん左の箱を引き寄せ、ガムテープをはがしはじめた。バカていねいに

包んであり、開けるのに手間がかかる。

  中身はコート・古新聞・ハンカチ・財布などだ。きみは財布を手にした。かなりの現金

があった。

(こいつはいいぞ)

  この建物から逃げ出せたとしても、金がなくては動きがとれない――という可能性があ

る。スラックスのポケットに多少の小銭は入っていたが、せっかく見つけたものだし、あ

りがたくいただくことにした。

  ハンカチはうす汚れているし、持っていく気が起きなかった。だが、そのデザインは、

いつかどこかで見たような気がする。きみの持ち物だったのかもしれない。

  とすると、財布も金ももともと自分の物?  あらためて財布をよく見ると、札のほかに

名刺が2〜3枚ある。これは、記憶回復・身元確認のてがかりになるかもしれない。

  コートと古新聞にはまったく記憶がなく、てがかりになりそうにもなかった。



    部屋を出る



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