1億ドルの記憶
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インタラクティブノベル(R)No.3
1億ドルの記憶
コンピュータはこの数字を受け入れた。パスワード要求画面が消え、メニュー画面が現
われた。きみはその中から、ファイル閲覧を選んだ。
つづいて、ディスプレイにはファイルタイトル一覧が表示された。「顧客リスト」「証
書発行控え」「給与マスター」などの文字が並ぶ。
一覧表の終わり近く、「非公開資産」というタイトルがあった。いわくありげである。
きみはキーボードから、そのファイルの番号を打ちこんだ。
やがて出てきたものは、要点だけしるすと……
「×月×日、スイス銀行に134万$振り込み」
「〇月〇日、南アフリカでダイアモンド217万$購入、現物をロンドン銀行の貸金庫に
保管」
「△月△日、東京でジャパン電気株30万株を1株1200円で売却、代金はニューヨー
ク銀行へ」
「×月×日、ロンドンで金塊8トン購入」
など、浮き世離れした単位の取り引き記録だった。これを見すごすのは惜しい。
きみは、サイドテーブル上のマイクロフロッピィを1枚取り、ディスク装置にセットし
た。そうしておいて、取り引き記録をマイクロフロッピィに書き込むよう、コンピュータ
に指示した。たちまちディスク装置が動く。
ほどなく書き込みは終わった。きみはそのマイクロフロッピィを上着のポケットにつっ
こんだ。
ほかにもすごいデータがあるだろうが、長居するのは危険だろう。オペレーターがまだ
気を失ったままであるのを確かめて、きみはここをひきあげることにした。
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