1億ドルの記憶
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インタラクティブノベル(R)No.3
1億ドルの記憶
きみはその記事を6Fの部屋でゆっくり読もうと、エレベーターに向かった。降りてき
たエレベーターはからだった。きみだけが乗り込み、ドアがしまりはじめたとき、ふいに
パンチパーマの男が1人駆けこんできた。
さらにその後からも、サングラスの2人の男がエレベーターめざして走ってきていたが、
パンチパーマ男はかまわず〈閉〉のボタンを押した。走ってきた2人の目の前で、エレ
ベーターはしまった。
エレベーターが昇りはじめると、パンチパーマ男はきみを見つめニッと下品に笑った。
「やっと見つけたぞ。もう一度眠ってもらおう」
彼の胸に光神会のバッジがあることに、きみはやっと気がついた。パンチパーマ男の右
手には、いつのまにかナイフがあった。だが、斬りつけるためではなく、それできみを脅
しながら左手で小びんを取りだした。クロロホルムだ。器用に片手でふたを取る。
彼がそれをきみの鼻先に突き出そうとしたとき、エレベーターが止まった。ドアが開く。
ボタンは6階しか押してなかったのだが、ここは3階だ。
パンチパーマ男は軽く舌打ちした。が、ナイフも小びんもひっこめない。ここから乗っ
てくる客も、ついでに眠らせるつもりらしい。そうしておいて、きみだけを連れ去るのだ
ろう。
彼の思惑ははずれた。乗り込んできたのは、1階でちらりと見えた2人の男だった。し
かも、ピストルをつきつけている。声は出さずジェスチャーで、パンチパーマ男には持っ
ているものを捨てるよう、きみには逃げるよう、彼らは指示した。
パンチパーマ男としても、これを予期していればきみを人質にするなどの対抗手段をと
ったろう。しかし、予想外の事態で、2人のいうなりになるしかなかった。
きみは、何がなんだか分からぬまま、6階の部屋に戻った。
自分の身元調べをつづける
ひとまず終わる