1億ドルの記憶
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1億ドルの記憶
きみは、「安西に頼まれた」と答えた。
尋ねた男は、「確認してくる」とつぶやいて、船内に戻った。
中に資料があるのだろうか。あるいは、無線で日本と交信で
もするのか。甲板にはピストルの男が残った。
そのとき、突風が吹いた。船が大きく揺れた。古タイヤのよ
うな浮き袋が甲板を転がる。ピストルの男が、足をすべらせて
転んだ。
きみは、このチャンスにピストルを奪いとろうと、1歩動い
た。が、男もすぐに態勢を立て直し、あらためてきみにピスト
ルを向けた。彼の“優位”は変わらなかったが、位置の変化が
あった。
きみはいま甲板の手すりにもたれている。足元にはさっき転
がった浮き袋がある。きみは頭の中で、状況についてすばやく
考えをめぐらせた。
(自分が生きていれば、自分の証言でこんどは彼らが追われる
立場になる。逃げ場のある睦上ならともかく、逃げ場のない船
内ではやつらの方が不利になる)
とすれば、船内での“確認”の結果がどうあれ、やつらはき
みを生かしてはおかないだろう。
そう考えたきみは、いちかばちかの行動に出た。まず浮き袋
を海上にけりおとし、つぎに自らが手すりを越えて朝焼けの海
にとんだ。あまりに意外な行動に、敵もあっけにとられたのか、
すぐには撃ってこない。
きみが海にいったん潜ってから、ようやく1発の銃声が響い
た。そのとき、きみには分からなかったが、船内に消えていた
男が現われて、ピストルの男に言った。
「もう助かるまい。撃つまでもないだろう」
もちろん、浮き袋がなければ、助かる確率はきわめて低い。
しかし浮き袋につかまっていれば、いくらか成算もある。見込
みは五分五分だ。
運試しをしよう。次の行き先から1つを運ベ。
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