1億ドルの記憶
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インタラクティブノベル(R)No.3
1億ドルの記憶
きみはドアをあけた。2人の男は、異常なすばやさで部屋に入り、後ろ手にドアをしめ
た。1人はピストルを構えている。(光神会の回し者?)
しかし、ピストルの男の顔をよく見て、きみははっきりと思い出した。いつか光神会の
襲撃から助けてくれた男だ。しかし、いまはきみにピストルをつきつけている。なぜ?い
ったい何者?
ピストルを持っていない方、長身の男が口を開いた。
「だれに頼まれた?」
きみは、じりじりと後ずさりしながらも、答えずに黙っていた。
「言いたくないなら、しかたがない」と敵はつぶやく。「消えてもらおう」
(言っても言わなくてもどうせ消すつもりだろう)
きみはそう思いながら逆に聞いた。
「冥土のみやげに教えてくれ。きみたちはいったい何者だ。前には光神会から助けてくれ
たのに、こんどは殺すのか」
2人は数秒顔を見合わせ、長身の男が答えた。
「われわれは日本政府から派遣された……形式的には警官だ」
「まさか!」
「都道府県警ではなく、内閣直属の極秘特別捜査官。もちろん、一般の犯罪捜査はしない
がね」
「……」
「淀田商事は、一般警察の捜査の手が伸びないよう、政府要人などに多額の工作金を流し
た。それが表面化してはいろいろまずいことになる。われわれは、刺客を放って淀田商事
会長を消した」
「やはり……」
当時からそういううわさはあった。男はつづける。
「会長の他にも工作金のことを知っていそうな、つまり“危険”な人物を2〜3マークし
ていた。その1人安西明男と、おまえは接触した」
「それだけで、ぼくを消すのか」
「そんなことはない。おまえが安西からどこまで聞いたかによる。それを確かめるまでは、
むしろおまえをガードした」
「工作金の流れなど、ぼくは聞いてない」
「それはだいたい分かった。だが、べつの政府筋から――はっきり言えば国税省から――
『淀田商事は多額の税金を滞納している。隠し資産は、すべて未納付税金として差し押さ
えよ。被害者救済に使われないようにせよ』との意向があった」
大香港銀行から日本に送金したことがある
大香港銀行から日本に送金したことはない