1億ドルの記憶
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          インタラクティブノベル(R)No.3

    1億ドルの記憶

  3日後、新聞に「国税庁、淀田商事の隠し資産を発見、差し押さえ」の記事が出た。大

香港銀行うんぬんは触れられていないが、内容・金額を見ると、あきらかに例の1億ドル

だ。

 その記事を見るかぎり、1億ドルはすべて淀田商事が滞納した税金として国庫に入り、

被害者救済にあてられる気配はない。

  これを見たきみは、大滝宗二に電話連絡をとり、尋ねた。

「大滝さん、当局は例の鍵を光神会から取り返し、大香港銀行の隠し資産を押さえたんで

しょ。なぜ被害者に返されないんですか」

「こういう場合、税金が最優先、つぎに社員の給料などが優先されます。それらを支払っ

て残ったときだけ、一般の債権にあてられるんです」

「このケース、だましとられたケースでも、一般債権扱いなんですか」

「ええ、国税庁の見解では」

  きみはぼうぜんとして受話器を置いた。なんてこった。安西の遺志もきみの冒険も全部

ムダになってしまった。こんなことなら、警察に頼らず自力で光神会から鍵を取り戻し、

1億ドルを手に入れるんだった。



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