1億ドルの記憶
反撃のチャンスがないまま、きみは空港の外へ出た。男はグレーの車の方へきみを進ま
せる。仲間が待っているのだ。
きみはその車に押し込まれた。目隠しされ、20分ほど走る。いつのまにか、他の車の
音や人の声がしなくなった。人目のない所に連れてきたらしい。
「ここでいいだろう」
運転している男がピストルの男に言う。
「うむ」ピストルの男がきみの方を向いた気配。
「鷹見、ここで死んでもらうぜ」
脇腹の固い感覚が、こめかみに移動した。きみの、生涯最後の感覚だった。
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