1億ドルの記憶
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 1億ドルの記憶

 部屋に半歩入ったきみは、両側の壁を手探りして室内照明の

スイッチを見つけ、ONにした。パチンという軽い音。そして

あふれる光。ここの螢光灯は、きみがいた部屋よりも明るいよ

うだ。いささかまぶしいほどだった。

 きみのカン通り室内には入がいた。1人の男がベッドで横に

なっていた。熟睡していた――きみにはそう見えた――その男

は、「う〜ん」と寝言のように言いながら、1つ寝返りをうっ

た。

 まぶしいのはきみだけではなかった。男も腕を目にかぶせる。

眠っていても、明かりが気になるらしい。

 彼がかけているのは薄いタオルケット1枚だけ、体格・体形

が布越しによくわかる。きみよりやや大柄、筋肉質のようだ。

髪はポサポサである。

 やがて男は腕で目をこすりだす。



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