1億ドルの記憶
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    1億ドルの記憶

  きみはそのドアをあけた。流れ込む空気は、かすかに潮の香りがする。目の前には、き

みの身長ほどの高さのブロック塀が立ちはだかり、南北に伸びている。塀と建物の間は、

細い通路だった。

  通路に出て左右を見ると、左数mで塀は北向きから西向きに“左折”し、そこに勝手口

のような扉がある。行ってみると、錠などはおりていない。扉を押し開くと、斜め前は交

叉点だ。東西方向の路地と南北方向の広い通りが交わっており、少しではあるが、人や車

が行き来している。



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