1億ドルの記憶
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1億ドルの記憶
翌9月4日金曜の昼問、きみは香港再訪の準備をした。光神
会の監禁室?を脱出したあと発見した品々は、空港の手荷物検
査でひっかかりそうなものを除き、とうぜんすべて持ってきた。
といっても、荷物はショルダーバッグ1つだ。鈴昔に電話して
から部屋を出る。
その深夜、きみの機は成田を離陸した。〈よしあしは別とし
て、決着がつく〉まで何日かかるだろうか。かりに即日解決し
たとしても、アメリカに行く気――スペースシャトル乗員の補
欠を勤める気――は、もうなかった。
約4時問後まどろみから覚めると、東の空のかすかな赤みを
受けて、夜明けの高層ビルの谷底に香港・啓徳国際空港の滑走
路が見えてきた。ここでは、なんと、着陸誘導灯がビルの屋上
にある!
初めて香港に来てそれを知ったとき、きみはひどく驚いた。
点滅する着陸誘導灯と紛れないよう、この街ではネオンサイン
の点滅が禁止されている。
ともかく機は無事着陸し、入国手続きをすませた。ことしは
サマータイムを実施しておらず、時差の蘭係で、まだ牛前5時
すぎだ。
きみには、この時刻にチェックインできるホテルのあてがあ
り、寝過ごさない自信もある。一方、安西が使った貸金庫の番
号も分かっている。
いったんホテルに入り、仮眠する
とりあえず、大香港銀行の近くまで行く