1億ドルの記憶
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    1億ドルの記憶

 きみは銅*湾地区のホテルに向かった。途中通過する商店街

では、道路に突き出した無数の看板が重なりあい、紅・緑・黄

色のペンキを空に撒き散らしたようだ。今にも落っこちそうな

ものも多い。

 いささかヒヤヒヤしながら通り抜け、ホテルのフロントでチ

ェックインをすませる。ボーイに案内されて2階の部屋へ。と

くに頼む用もないので、ボーイを下がらせる。

 ところが、ほんの数分後、ドアにノックの音がした。もちろ

ん、だれかを呼んだりルームサービスを頼んだりはしておらず、

心あたりはない。

 きみはドアスコープから廊下を見た。貝知らぬ2人の男が立

っている。いつか光神会に襲われたとき――そして、謎の男に

助けられたとき――こんな顔を見たような気がする。ただ、そ

こにいるのが、襲ってきた方か助けてくれた方か、よく分から

ない。

 いずれにせよ、どこからかきみを尾けていたらしい。さて、

どうする?



  ドアをあける



  あけない