1億ドルの記憶
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インタラクティブノベル(R)No.3
1億ドルの記憶
翌日おそく目ざめ、外資系銀行に電話して振り込みの有無を聞く。例の偽名口座をつく
ったところだ。たしかに入っていた。が、きょう引き出すわけにはいかない。小切手で振
り込んだから、現金化にはもう数日かかる。
さて、無事現金化できたとして、1億ドル=約220億円をどう処理するか。
いちばんオーソドックス?なのは、警察に届けることだ。うまく広義の拾得物として扱
われれば、いったんは1割が自分のものになる。もっとも、その大半が税金として取られ
るだろう。拾得物扱いされなければ、まったくの骨折り損だ。
淀田商事管財人・大滝宗二に届ける手もある。悪徳商法の被害者の救済にあてられるだ
ろう。ただ、ことをおおやけにする点では警察へ届けるのと同じである。220億のうち
いくらかを手数料のような意味で手元に残すことはむずかしいし、残せたとしても大半は
国税庁へ行く。
いっそ、被害者に直接届けるか。時間と手間はかかるが、必要な手数料を取ることがで
きる。
もちろん、全額を“1人占め”することも可能だ。補欠とはいえ〈日本人初の宇宙飛行
士〉の座を捨て、再三の生命の危険をへて得たものである。その代償として私有しても、
なんら良心に恥じることはない。
迷っているうち数日がすぎ、小切手は現金化された。
警察へ届ける
管財人・大滝宗二に届ける
被害者に直接配る
私有する