1億ドルの記憶
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    1億ドルの記憶

  きみは、あの漂流者たちが多少気になった。きみに危害を加える目的で漂流者を装い、

船に乗り込んできたのだとしたら?

  顔を合わさない方が無難だ。

  でも、それは考えすぎだろう。きみは船室を出て、レストランに向かった。

  とくに変わったこともなく、夕食はすんだ。きみは部屋に戻る。そのとき、きみの後を

つける者がいたのに、きみは気づかなかった。

  数時間後、東の空がわずかに白くなりはじめたころ、波の音にまぎれたかすかなカチャ

カチャという音で、きみの眠りは妨げられた。といっても、きみはまだ半分ねぼけまなこ

だ。音はドアの方からする。船室のドアを針金であける音だった。

  きみの心と体がようやく目ざめたときは、すでに遅かった。2人の男――例の漂流者――

が船室内にすべりこんできた。1人はピストルを構えている。

(光神会の手先か?)

  しかし、ピストルの男の顔をよく見て、きみははっきりと思い出した。いつか光神会か

ら助けてくれた男だ。しかし、いまはきみにピストルをつきつけている。なぜ? いった

い

何者?

  彼らは無言のまま、きみに甲板に出るよううながした。やむをえずきみは従う。

  3人が甲板に上がると、少し濡れていて、すべりそうだ。いつのまにか雨が降ったらし

い。いまはやんでいるとはいえ、この天候、まして深夜に、ここへ上がってくる者はまず

いない。

  ピストルを持っていない方の男が口を開いた。

「だれに頼まれた?」

 

  「安西に頼まれた」と答える



  黙っている